庭に三メートル四方に四本の真竹を立て、ムシロやコモをかけ、屋根のようにする。これをヒヤという。コモは棺を買ったときついてくる。座敷を出るとヒヤの中に台に乗せたデンデンボウと棺を置き、読経のあと、ロクドウが棺を担いで、位牌、写真、膳、棺、親類が整列してそのまわりを左回りに一~三回めぐって、最後に棺だけがヒヤの中を通って寺に向かった。これを庭トムライ、庭マワリ、ボウマワリという。
逆井のある家では、ヒヤはあの世への門を意味しているという。
辰新田では、庭トムライの後、座敷からほうきで掃き出すしぐさをした家があった。