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ツジロウ

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 家の出口にツジロウ(辻蝋)といわれるろうそくを左右に一本ずつ立てた。これは高さ六〇センチ、幅五センチメートルくらいで竹の先を三つに割り、それぞれに小さいろうそくを一本ずつ立てた竹で、地面に刺さりやすいようにとがっている。葬式の朝、組の人が作ったものである。死者の道しるべとして葬列が墓に向かう途中の辻、墓の入り口などに二本ずつ立てた。出棺の直前に手の空いている組の人が火をつけた。
 西粂原のある家では、ツジロウのほかにマメッカラ(大豆の枝)や藁で松明を一対作り、ツジロウの下に転がすように置いて出棺のときに灯したという。