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目次
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第五章 人の一生
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第三節 葬送
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三 葬式
テンガイ(天蓋)
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シシテンゲともいい、葬式の朝に組の人が作る。竹を割って薄くして両端を曲げたものを二本交差させ、交点を麻紐で縛り、周りに半紙を貼る。半紙には卍を書いたり、色紙を切り抜いて貼ったりした。シシテンゲの出来上がった大きさは高さ三〇センチメートル、直径四〇センチメートルほどである。竹の先に色紙を巻きつけたり、色紙の短冊を下げた。その笠を麻紐で竹の棒に縛り付けた。笠は棺と一緒に埋め、竹の棒は墓地で焼いた。昭和五〇年代に火葬が一般的になると作らなくなった。