家で織られる綿布は、縞や紺無地であった。紺絣は、糸をくくって白く染め抜き、これを経緯(たてよこ)に組み合わせて文様を織り出すので技術が必要とされる。したがって、家で織られることはほとんどなく、呉服店から反物を購入した。
縞は、紺地に白や浅葱(あさぎ)などの糸を等間隔に配した経縞である。また、女性や子供用の縞は、黄色や赤などの色糸を加えて派手にした。糸の染色は、紺屋に頼んだ。手織りの縞は市販品に比べて布地が丈夫であり、ふだん着や野良着に重宝された。
紺無地は、紺糸を経緯に用いて織られたもので、主として野良仕事のモモヒキを仕立てるのに用いられた。