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真綿作り

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 玉繭は、糸に引かれるほか真綿にもされた。真綿は、半纏やソデナシ(袖無し)などに中綿を入れる際、薄く伸ばしてその上下に当てる。すると、中綿がずれるのを防ぐことができた。
 真綿を作るには、重曹入りの湯で繭を煮て、柔らかくなったところでタライの水に移す。これを指でつまんで軽く揺すると膨れるので、割って指に引っ掛け、広げて蛹を取り除く。そうしたら、図8のように六個の繭を次々と広げて指に掛け、六枚重なったところで指から外して四角い木枠に掛ける。これを六回繰り返し、計三六枚を一枚の真綿とした。真綿を乾かすには、6-4のような黒瓦質の真綿掛けに熾(おき)を入れて温め、上部の丸い部分に真綿を被せた。

図8 真綿の作り方


6-4 真綿掛け

 昭和初期には、百間小学校で真綿作り講習会が行われた。講師は、大山村(現白岡町内)と黒浜村(現蓮田市内)の女性二名がつとめ、参加者の女性たちには真綿を掛ける木枠が一台ずつ配られた。講習料は無料であった。