男物は木綿の紺無地で仕立てられ、身丈は二尺くらいで、着用時にはモモヒキの股上が隠れた。袖は、タカッポやツッポと呼ばれる筒袖であった。
女物は木綿の紺絣で仕立てられ、図12のように身丈が二尺四、五寸で着用時には裾が膝上二寸くらいの位置にきた。袖は筒袖か薙刀(なぎなた)袖で、いずれも袖口の内側には白やピンクなどの袖口布を付け、仕事中には袖口をまくって袖口布を表に出した。お洒落な者は、袖口布と前掛けの紐をそろいにしたという。嫁のノラジバンは八寸から九寸丈の袂袖に仕立て、これに欅を掛けて田植えを行った。
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図12 女物のノラジバン