コシマキは上掛けと下掛けの二枚重ねであり、下掛けには年間を通して綿布の二幅物が用いられた。綿布は晒が多かったが、これは汚れが目立つことから、絣や浴衣地あるいは捺染の柄物を用いる者もあった。下掛けは水田でモモヒキをはく際にも用いられ、短めにたくしあげた上ヘモモヒキをはいた。
上掛けは、夏が絣や浴衣地の二幅物、冬がピンクや赤や柄物のネルで、いずれも上端には手拭や晒で半幅の上布を付けた(図14)冬用にはメリンスの袷もあったが、これは主として家着やよそゆきとされ、野良仕事に用いることは少なかったという。
図14 上掛けのコシマキ
ハバキは木綿の紺無地で縫われ、図15のようにコハゼと紐で脚に固定した。
図15 ハバキ