ふだんには、晒のハダジバンの上にノラジバンを着て野良仕事を行った。夏には袖があると暑いので、ソデナシジバン(袖無し襦袢)を着て汗取りとした。また、素肌へ直にノラジバンを着る者もあった。冬には、身頃がネルのハダジバンを着た。
よそゆきにはナガジバンが用いられ、これはメリンスで仕立てたものが多かったが、金紗の着物には金紗の長襦袢を合わせた。
ズロースは、昭和一〇年ごろから女学生のあいたで用いられるようになり、それ以前は下半身の下着といえばコシマキだけであった。川端のA氏(大正一〇年生)の祖母は、娘のはいているズロースを見て、「私らが若いころにこういうのがあったら、温かくて良かったろう」としみじみいったものである。
月経のときには、木綿の晒や浴衣地で縫ったT字帯に脱脂綿をのせて股間に当てた(図20)。脱脂綿は、杉戸町などの薬局で購入された。
図20 T字帯の当て方