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洗濯の用具

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 昭和三〇年代後半に電気洗濯機が普及する以前は、水を張ったタライに洗濯板を立て掛け、洗濯板の溝に布地をこすり付けて汚れを落とした。洗濯用の固形石鹸は昭和初期には普及しており、黄色味を帯びた棒石鹸を小さく切って使用した。ただし、戦争中の配給時代には石鹸の入手が困難になったので、代わりにアクバイを用いる者が多かった。アクバイは、竃や囲炉裏から出た灰を水に溶かしてしばらく置き、表面の灰汁(あく)をすくったものである。