野良着は、傷むとそのつど内側からつぎをあてて繕い、さらに傷んだものはオッカブセッツギと称して表側からもつぎをあてた。戦争中から終戦直後の衣料不足時代には、どれが「本家」の布地か判別がつかないほど幾重にもつぎをあてたものである。いよいよボロになった野良着は、使える部分を取ってつぎあて用布としたり、雑巾に縫ったりした。
子供の着物や足袋が擦り切れると、内側からつぎをあてて繕った。足袋は、踵(かかと)や爪先が切れやすかった。
繕いは夜なべに行われることが多く、つぎあてにはできるだけ色や柄の似ているはぎれを用いた。そのため、小さいはぎれでも捨てずに取っておいたものである。