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目次
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第六章 身のまわりの生活史
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第二節 食生活
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一 食料
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(二)副食
味噌汁
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味噌汁はオツケ、オミオツケと呼ばれ、毎食欠かさずに作られた。自家製の味噌は大豆の粒が残っているので、そのまま入れると舌触りが悪い。そこで、シラジで擂ってから笊で漉(こ)して入れた。味噌汁の身は、ネギ、ナス、ダイコン、菜っ葉などで、豆腐を入れることは少なかった。また、だしは煮干しやカツオ節で取るが、古くはだしを用いない家が多かったという。
卵の茹で汁を味噌汁に用いる家もあった。茹で汁には卵の殼から出たカルシウムが溶けているので、体に良いといわれたためである。