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常備菜

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 常備菜には、ナメモン(ナメモノ)や豆味噌があった。
 ナメモンは、大麦の麹に塩と刻んだナスを混ぜ、これを甕に仕込んで二〇日ほど寝かせたものである。秋に味噌を仕込む際いっしょに作られ、保存が利くので日常のおかずに重宝された。豆味噌はアブラゲミソとも呼ばれ、生の大豆を油で炒めてから味噌と砂糖を絡めたものである。田植え時分に作られ、田植えの昼飯や晩飯に出された。そのほか、小魚や昆布の佃煮を作っておく家もあった。