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アラレとカキモチ

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 アラレやカキモチは茶受けの定番とされ、正月の餅や寒餅を搗く際に作ったものを一斗缶に入れて保存しておいた。
 アラレは、餅を賽(さい)の目に切って干したもので、これを焙烙(ほうろく)で炒って熱いうちに醤油をかけて食べた。白餅の切れ端で作られ、ほかにオソナエ(お供え餅)を小さく砕いてアラレにした。また、畑作地域ではモロコシ餅をついてアラレを作った。白餅、モロコシ餅、オソナエで作られたアラレは、6-17のようである。

6-17 白餅・モロコシ餅・オソナエのアラレ(和戸 本郷 M家)

 カキモチは、豆餅や海苔餅を蒲鉾状に延べ、これを薄く切って干したものである。熱を加えたときに膨らむよう擂(す)った山芋や炭酸を混ぜることが多く、家によっては塩味をつけた。網で焼いたり油で揚げて食べるが、油が貴重な時代には焼くことが多かった。