糀を作るには、粳(うるち)米をセエロで蒸して大きなプラスチックの箱に広げ、タネを振って十分に混ぜてから四枚のコウジバコに移す。そして、表面に乾燥防止のための蒸しタオルを被せてムロ(室)に入れ、一昼夜寝かせたのちに切り返しを行い、再びムロに戻して翌朝まで寝かせる。ムロには育苗機が利用される。
できあがった糀に塩を混ぜ、一晩かけて柔らかく煮た大豆を餅練り機で摺り潰してこれに加える。硬さは、アメミズで調節する。塩の分量は、煮た大豆と糀を合わせた目方の約一パーセントで、かつての麦味噌に比べるとはるかに減塩になっている。
糀、塩、大豆を十分に混ぜたら、ポリ樽の底に塩を振り、叩きつけるように仕込んでいく。表面には塩を撒き、さらにビニール袋に入れた六キロの塩を載せて重りとする。
こうして仕込んだ味噌は一年後には食べられるが、一年では糀の臭いが残るので、二年後に口開けをするのが適当である。
6-19 現代の味噌作り(和戸沖の山 I家)