朝飯はご飯に味噌汁と漬物で、そのほかナメモン、豆味噌、佃煮などの常備菜があれば付けた。
昼飯は、ご飯に味噌汁、ジャガイモの煮物、漬物、常備菜程度であった。また、朝に炊いたご飯は昼には冷えているので、これをぶっかけ飯にすることも多かった。夏のぶっかけ飯は、ゴマ汁が定番である。ゴマ汁は、擂りゴマ、味噌、砂糖、薄切りのキュウリ、刻んだシソの葉をシラジ(擂鉢)で混ぜて水で延べたもので、これを冷えたご飯にかけると食が進んだという。ゴジル(呉汁)のぶっかけ飯も、よく作られた。ゴジルは、生の大豆を一昼夜くらい水に浸してからシラジで擂り、これを煮て味噌で味を付けたものである。カボチャやナスを混ぜることもあり、冷えたゴジルを熱いご飯にかけてもおいしく食べられた。秋から冬にかけてはサトイモなどでけんちん汁を作り、これを冷えたご飯のおかずにしたりぶっかけ飯にして食べた。
晩飯にはあらためてご飯を炊き、おかずには里芋のニッコロバシ(煮物)、ダイコンの煮付けなど多少手間のかかるおかずを付けた。味噌汁と漬物も欠かさなかった。