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食事の座

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 オカッテでは、最も奥の上座が主人の座とされていた。主人は東向きといい、上座に東を向いて座るものと決まっていたのである。本田のH家では、図28のように上座に舅夫婦が座り、給仕をつとめる嫁と女中はオカッテの隅に腰を掛けて食べた。
 農繁期には、アサヅクリと称して朝飯前に野良仕事を行い、昼飯は野良仕事の途中となる。そこで、働き手は朝飯と昼飯にはオカッテに上がらず、土足のまま隅に腰を掛けて食べることが多かった。