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箱膳とちゃぶ台

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 戦前までは、日常の食事に箱膳が用いられた。箱膳にはめいめいの茶碗、汁椀、小皿、箸を入れておき、食事の際には蓋を返してこれらをのせた。食事がすむと、食器に茶を注いで飲み干してから伏せ、蓋を閉めて戸棚に納めた。食器を洗うのは一か月に数回程度であり、晴天の日に井戸や用水堀で箱膳ごと洗って天日干しをした。
 終戦後には、箱膳を廃止してチャブデエ(ちゃぶ台)で食事を取る家が多くなった。ちゃぶ台は折り畳み式の脚が付いた食卓で、この上に食器を並べて家族一同が食事を取った(6-21)。

6-21 ちゃぶ台での食事・昭和30年(金原 関永氏所蔵)