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目次
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第六章 身のまわりの生活史
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第二節 食生活
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三 ハレの食事
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(二)折節のカワリモノ
花見の弁当
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四月は桜の季節であり、宮代町では幸手市の権現堂堤へ花見に行く者が多かった。花見には、海苔巻きや油揚寿司(稲荷寿司)の弁当を持っていった。また、花見には酒がつきものであり、古くは一升徳利、のちには一升瓶の清酒を提げていったものである。権現堂堤は大勢の花見客で賑わい、土手にはたくさんの露店が出ていた。露店では、蒸したサトイモに甘味噌を塗ったギョデン焼き、トコロテン、桜餅、甘酒、大正焼きと称するあん入りの大判焼などが売られ、これらを買って食べるのも楽しみであったという。