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夏のうどんとまんじゅう

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 夏のカワリモノは、うどんとまんじゅうに代表される。七月一日の浅間様を皮切りに、オシシサマ、天王様、八月一日の釜の口開け、七夕、盆と、夏の行事にはうどんやまんじゅうが欠かせない。夏には小麦が収穫され、新しい小麦粉で作るうどんやまんじゅうは味も格別であった。ただし、近年ではまんじゅうを作る家が減り、うどんも干しうどんを買ったり素麺や冷や麦で代用する家が増えている。
 まんじゅうは、小麦を材料とすることからコムギマンジュウとも呼ばれ、古くは小麦粉の生地であんを包んだものを大釜で茹でていた。これは、茹であがると湯の表面に浮いてくることからウキマンジュウと呼ばれ、冷めると生地が硬くなるので子供たちには評判が悪かった。そこで、のちには重曹(炭酸)入りの生地であんを包んで蒸す炭酸まんじゅうが一般化した。
 夏のうどんは、茹でて水に晒したものを冷たいゴマ汁につけて食べることが多かった。