①一袋二〇〇グラムの糀を、粳米四升に対して一二袋用意する。戦前までは、三斗樽で二、三本もの甘酒を仕込み、当時は蒸した粳米にタネ(菌)を振って糀を作った。終戦後は、幸手市や岩槻市の糀屋から購入するようになり、現在ではスーパーマーケットから購入している。
②電気炊飯器数台で、四升のご飯を炊く。古くは、庭に炉を築いて大釜を掛け、薪をくべてご飯を炊いた。
③ご飯をコネバチや寿司桶にあけてシャモジで広げ、団扇であおいで人肌程度に冷ます。
④糀をほぐしてご飯に混ぜ、人肌程度に冷ました湯で延べる。
⑤湯で延べたものを七〇リットルのポリ樽に入れ、シャモジで掻き回しながら七分目くらいにまで湯を足す。
⑥カンマシボウで全体を掻き回す。「甘酒はカンマス(掻き回す)のが商売」といい、掻き回すのを怠ると熱が上がり過ぎて糀が死んでしまう。そこで、数人が交替しながら休まず掻き回す。
6-28 甘酒作り
⑦全体が馴染んだところで、塩を二つまみ入れる。これによって甘みが増す。塩を入れたら、さらに二時間くらい掻き回し続け、全体が滑らかになったら、そのあとはときどき掻き回しながら一晩発酵させる。すると、翌朝には甘酒ができあがる。
⑧午前九時の太鼓を合図に、沖の山天神社へ甘酒を運ぶ。