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目次
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第六章 身のまわりの生活史
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第二節 食生活
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三 ハレの食事
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(三)通過儀礼の食事
産後の食事
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産後には、親元から米、カツオ節、カンピョウ、卵、味噌漬けなどが届けられ、これらで食事を作った。
産婦は、二一日目の床上げまで炊事の一切が禁じられたので、食事は姑が作って床まで届けてくれた。主食は粥で、おかずはカツオ節と味噌をあえたカツボシミソやダイコンの味噌漬けが中心であった。生卵が入ったカンピョウの味噌汁を食べれば滋養がつくが、これが付くことは少なく、そのため産後の肥立ちは悪かったという。