馬小屋は母屋のダイドコロに下手の部分に設けられる場合が多いが、付属屋として独立した小屋を作る場合もある。農家では一軒で一頭の馬を飼うことは大変なことで、数軒のユイで馬を飼うこともあった。また、牛や鶏、豚などの家畜を飼育する家もあった。牛を飼っている家では牛小屋、鶏を飼っている家では鶏小屋、豚を飼っている家では豚小屋がある。
西粂原のある家では、馬屋には隣家と二軒で馬を飼っていた。一月を一五日交替で飼育し、この二軒では農作業などもユイ仕事で行っていた。馬屋は家の中にあり、風呂場からでもすぐに行けるようになっていた。馬は昭和二六年ごろまで飼っており、二七年には耕うん機を購入した。