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目次
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第六章 身のまわりの生活史
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第三節 住生活
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三 母屋の間取りと住まい方
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(三)家内の施設
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[家内の施設]
トボグチ、セドグチ
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母屋の出入り口は、表と裏の二か所設けられているのが一般的である。表の出入り口をトボグチといい、裏をセドグチと呼んでいる。トボグチにはオオド(大戸)とよばれる建具が備え付けられている。通常はここの出入り口から出入りした。このオオドにはくぐり戸がついていて、いちいち全体を開けなくても出入りできるようになっている。この二か所の出入り口の外にも、ダイドコロの部分に出入り口を設けている例も多い。
出入り口が正面から見て、トボグチが左側にある家と右側にある家がある。左側にトボグチがある家を左住まいといい、数は少ない。
トボグチのオオドには、いろいろな種類のお札が貼られている。火伏のお守りとして秋葉神社のお札、トマモリ・トマブリとして盗難除けのお札を貼る。また、玄関の正面の上部には、百日咳の呪いとしてシャモジを貼り付けた家もある。また、鯉の尾を魔除けに貼ったり、スズメバチの巣を魔除けに吊す家もある。
6-36 トボグチのお札(西原 S家)