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付属屋と住まい方

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 屋敷地には母屋を中心に隠居部屋、馬小屋、藁小屋、シノゴヤ、蔵、水塚、雷電様、井戸が配置されている。
 隠居部屋はハナレともいい、近年は物置としても使用されている。
 馬小屋では昭和三〇年代後半まで農耕馬を飼育していた。かつて馬は田畑の耕起など農作業の重要な動力として使用された。
 藁小屋はコンバインの導入された昭和三五、六年ごろまで使用した。脱穀した藁をこの小屋に入れて保管して、翌年の夏に畳屋に売った。普通はキジルシに積んで置くので畳屋が早く買いに来るが、当家は藁小屋に入れてあるので夏期になっても、藁が乾燥しているので高く買われる。
 シノゴヤは内部がナヤ(納屋)、シノゴヤ(収納小屋)、コエマ(肥間)に分れている。シノゴヤには主に農具が保管され、コエマには肥料が保管されている。
 蔵は一番新しい建物で、主に穀物や食料の保管に使用されている。中が仕切りになっており、味噌部屋も設けられている。ここには米・麦・豆などを保管した。米は密閉して燻蒸も行える。当家では小作で収められたものもここに収納した。
 水塚は周囲の建物より土を盛って約一メートル程高くなっている。以前から塚の上の建物は倒壊しており、現在では使用していない。水塚には昭和二二年のキャスリン台風などの水害の時の避難用に緊急時の食料などを保管したといわれている。
 井戸は母屋の南の庭に位置している。
 雷電様は氏神様ではなく、祭祀についても詳細は不明である。