民家を建てる場合には、建築の節目ごとに祭事が行われる。その祭事を建築儀礼と呼ぶ。家を壊す前、親戚や組合の人に手伝いを依頼し、その人たちと棟梁を招いて御馳走する。大神宮様や仏壇はあらかじめ移し変えておく。
家を壊すときには、カシラ(鳶)を頼むことが多い。かつては草屋根が多かったので、カシラの代わりに草屋根をよく知っている屋根屋を頼むこともあった。カシラや屋根葺職人を中心にして、親戚や組合の人たちに手伝ってもらった。家を壊す作業は、普通一日で終わる。棟梁がチョウナハジメにすることは、シャクズイ(尺杖)を作り、図面を書き、墨付けをすることである。