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修業時代

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 職人としての最初に行う作業は、屋根の茅を剥がすムシリというものである。屋根の上で職人がムシリを行い、茅を束ねて下に投げ、地上では家族の者や手伝いのテコマイ(手古舞)がそれらの片付けを行う。普通の家では半日くらいで終わる作業量である。
 ムシリが終わると縛りの作業になる。屋根の茅をすべて剥がし終えると竹で組んだ下地が出てくるので、この竹と竹を縛ってある縄をすべて縛り直す。この時に太い竹に細い竹を結ぶ縛り方をイボイ縛りという。横に置いた太い竹と縦に並べた細い竹を結んでいく作業のことである。
 このときに使用する縄は屋根葺職人が用意する場合とダンナが用意する場合がある。この縄は普通の縄よりも細いもので、屋根葺き専用に作られたものである。