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霜枯れ

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 左官は冬場は仕事が少ない。これを「霜枯れ」という。冬場は壁土が凍ってしまい、仕事ができなくなるからである。どうしても、冬場の寒い時期に仕事をするときには、窓の部分すべてに菰を下げ、その中で一晩藁を燃やし煙を回し凍結を防いだ。冬場の仕事では土をこねるのに長靴を履いて行うが、手でこねたので冷たく大変きつい仕事であった。
 また、「農家の忙しいときは職人は暇」という言葉がある。「雨が正月」ともいい、雨が降ると仕事は休みだが、日曜日でも仕事はした。現在では雨の日でも仕事を行い、日曜日は休む。三隣亡の日などは特に気にしないで仕事をした。