町の左官は竃作りをやらない人が多い。竃の修理、作製の注文は冬至のころに多い。神無月(月おくれの冬至のころ)には神様がいない時期なので、竃を直してもいいと言われている。土を足で踏み、やや固く四角に固めのものを積んでいく。四角のレンガを積んでいくようなものである。積むときに上の部分と下の部分がなじむようにするのが難しい。藁の入れ具合で土の部分が割れたりもする。
アラカベ→スナズリを塗ると竃のツバを金物屋で購入してもらい、これに合わせて下を積んでいく。竃の口が二つ、三つなどその家の注文により異なる。また、竃がないとご飯が炊けないので二つの炊き口の竃は一日で作ってしまう。帰りに自分で作った竃でご飯を炊いてご馳走になってくることもある。