表1をみると町域の主要道で最も道幅の広い道は、岩槻~幸手間の道程中に町域を通過していた「旧日光御成道」であった。幅は四間で約七・二メートルである。そのほかには巾二間(約三・六メートル)ほどの久喜や粕壁などの町場への往還道がある。この道筋は日光道中の杉戸宿から百間村、須賀村を抜けて御成道に通じるものであった。さらに御成道へ通じる岩槻道、村道があった。このように、当町においては杉戸宿から御成道、久喜、粕壁へ向かって放射線状に延びた道が町域を横断していた。
町域ではさらに百間村など多くの村で、集落間を結ぶ道や粕壁方面への道筋が三ルート確認されている。一つは太田新井村(現白岡町)から台地上を内牧村へ向かう道筋、一つは西光院から隼人堀川の谷間を抜けて内牧村へ向かう道筋、百間東村から古利根川沿いに梅田村(現春日部市)へ向かう道筋がある。
大正八年四月には「道路法」が公布され、国道・府道・県道・郡道・市道・町道・村道が定められ、現在の道路行政の基礎ができあがった。
表1 『武蔵国郡村誌』に見る道路一覧 |
村名 | 道路名 | 起点 | 終点 | 長さ | 幅 | 備考 | |
百間 | 粕壁道 | 須賀村 | ~ | 内牧村界 | 三三丁五〇間五尺 | 二間 | 久喜町辺より粕壁宿へ |
百間中村 | 岩槻道 | 清地村界 | ~ | 太田新井村界 | 三〇丁七間二尺 | 二間 | 杉戸宿より岩槻町に達する路 |
百間東村 | 岩槻道 | 清地村界 | ~ | 太田新井村界 | 三〇丁七間二尺 | 二間 | 杉戸宿より岩槻町に達する路 |
百間中島村 | 岩槻道 | 清地村界 | ~ | 太田新井村界 | 三〇丁七間二尺 | 二間 | 杉戸宿より岩槻町に達する路 |
百間金谷原組 | 岩槻道 | 清地村界 | ~ | 太田新井村界 | 三〇丁七間二尺 | 二間 | 杉戸宿より岩槻町に達する路 |
百間西原組 | 岩槻道 | 清地村界 | ~ | 太田新井村界 | 三〇丁七間二尺 | 二間 | 杉戸宿より岩槻町に達する路 |
蓮谷村 | 岩槻道 | 清地村界 | ~ | 太田新井村界 | 三〇丁七間二尺 | 二間 | 杉戸宿より岩槻町に達する路 |
東粂原 | 村道 | 爪田ヶ谷村界 | ~ | 須賀村界 | 六丁四〇間 | 二間 | |
村道 | 西粂原村界 | ~ | 須賀村界 | 八丁二〇間 | 二間 | ||
西粂原 | 旧日光御成道 | 下野田村界 | ~ | 国納村界 | 八丁二六間 | 四間 | 二等道路 |
村道 | 高岩村界 | ~ | 東久米原村界 | 一三丁五三間 | 二間 | ||
須賀 | 久喜道 | 百聞中島村界 | ~ | 和戸村界 | 二三丁六間 | 二間 | |
和戸・国納 | 旧日光御成道 | 西久米原村界 | ~ | 高野村界 | 七丁四七間余 | 四間 |