職人が製作した品物を売りに来たり、その製品の修理のために回ってくることもある。村を回ってきた職人には下駄の歯すげ、桶屋、鋳掛屋(いかけや)、洋傘直し、刃物研ぎなどがいた。仕事は主に依頼主の家の軒下や物置の前など日当たりの良い場所で行った。
箕直しは野州奥深くから年一回くらい箕の修理に使う藤の蔓(つる)や竹ひごなどを持って回って来た。もろこしの箒作(ほうきづく)りなどに来た人もいた。精米業者は特別のお得意、幸手地方へ来ると精米所回りをして仕事の予約をしていたようだ。手際の良い職人で、材料は用意して来た。
蒸籠、篩(ふるい)の職人は町内にもいたが、遠方より来て旅館に泊まりながら売り歩く人もいた。