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[村を訪れる芸能者]

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 昭和二〇年代まで瞽女(ごぜ)という盲目の女性(一人だけ目の見える人がいてほかの人の手を引いて歩いた)が数人で連れ立って来て、各家を回り三味線を弾きながら民謡や流行歌を歌ったり、口説きをしたりした。瞽女さんには、米やお金を与えた。中には瞽女さんを泊める家があり、そうするとその家に夜になると瞽女さんの歌や口説きを聞きに集まる人が多かった。瞽女さんは三味線のほか、あちこちに泊まり歩くので大きな風呂敷包みを担いで歩いた。
 戦前までは、正月になると三河万歳が回って来た。二人で組んで来ることが多かった。玄関先で鼓を出してめでたいことを言いながら歌ったり、踊ったりして、各家ではお金や餅や米を包んで渡した。
 また、正月にはコトブキ獅子(寿獅子)が二人連れで来たという。