総会は各地区とも三月から四月にかけて行われる。総会には各戸から一名が参加し、役員の交替、前年度の事業報告や新年度の年間の主な事業計画が決められる。川端の総会は、農作業の終了後に行われる。総会の通知は区長が行い、会場も現在では集会所や公民館などの施設を使用するが、かつては区長宅で行っていた。
総会のことを東、松の木島、道仏などでは常会ともいう。
新年会は、一月に区長宅や集会所に集まり、各戸から一名ずつ参加する。かつては中寺や川端では集会場所を区長宅で、西原や須賀上では個人宅で順番に行った。これらの会場となる家のことを「ヤドハマリ」「ヤド」という。また、内野では正福坊、蓮谷では稲荷神社が会場となった。
常会についての申し合わせ事項について、昭和二八年一一月の辰新田の記録があるので資料として掲載する。
部落常会決議事項(島村家文書 No.38)
一 常会ニハ必ズ一戸一名出席スル事 但シ止ム得ザル事由アル者ハ班長ニ通知致ス事
班長ハ司会者ニ伝言致ス事
一 常会ハ必ズ其時刻マデニ出席致ス事
一 回覧板ハ速ニ廻ス事
一 正月(休日)ノ出タ時ハ皆気揃テ必ス休業スル事
一 但シ伝言ハヤメ回覧板トシ其ノ常会ノ事由司会者氏名ヲ記入ノ事
右事項ハ農家非農家共必ズ之ヲ実行シ此ノ事項ニ違反シタル時ハ司会者ハ常会ニ於テ皆梯ニ話シ其責
ヲ問ウ事
右事項ニ違反セザル事ヲ決議ス
昭和廿八年十一月六日
辰新田部落一同
このような取り決めがなされ、地域が運営されていたことがうかがえる。