草葺きの屋根の新築や葺き替えには、茅が大量に使用される。屋根葺きに用いられる茅は大量で、数年かけて集めることもあり個人でカヤバ(茅場)を保有することは困難であった。そこで入会地や大尽の家のカヤバから茅を購入した。宮代町では、隼人堀川の前原中学校付近(個人持ち)、山崎山、西粂原立野などにカヤバがあった。また、町外では野田茅場(白岡町)、春日部市内牧などがあった。
中寺では、前原中学校の隼人堀川手前の個人持ち茅場から茅を一反いくらで購入した。また、屋根屋職人が斡旋してくれる場合もある。
西粂原では、立野の個人持ちの茅場から屋根屋職人に斡旋してもらって買った。茅を刈るには霜枯れの一二月から二月ごろまでがよい。茅場で束ねて、自分の家に運んで直径三〇センチメートル程の束に整理してから使用した。