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[キツネに化かされた話・キツネの嫁入り]

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図1 狐に化かされる話

○夜、用事があって隣の耕地に行こうとしたら、キツネに化かされて気がついたら田んぼをぐるぐる回っていたという。
○ナマズ捕りに行ったのに、気がつくと田んぼの中に入っていた。これはオトカ(キツネ)に化かされた仕業だといった。
○田んぼ道を焼き魚の土産を持って帰ってくる途中にキツネに化かされて道をぐるぐるまわらさせられて、泥に汚れて家に帰ってきたという。
○雪の降ったとき、キツネに化かされて、家とはとんでもない方向に歩いていってしまったという。
○夏の夜、百間山でキツネの嫁入りといって、青光りしたものが五つ、六つ多いときには一〇くらい動いているのが見えたという。
○猫島山辺りの茅場で、明かりが点々と並んでいるような状態のときがある。これを「キツネの嫁入り」という。
○山崎浅間社から金原・逆井の方へ行く道でよくキツネに化かされた。家に帰る道さえ分からなくなってしまう。そのようなときには、座ってたばこを一服すると行く道が分かるようになるという。
○小雨がショボショボ降る夜、家の前の道を向かいの林の中に「ホッ、ホッ、ホッ、……」とキツネの吐く息が赤く見えた。それが提灯を下げて嫁に行くように見えたので「キツネの嫁入り」という。
○畑に明かりが幾つも並んで灯っているのが見えた。これを「キツネの嫁入り」という。キツネは通りすぎて後を振り返るので、このような仕草をする人をキツネのようだという。
○長く寝ている病人の側に置いたご飯がなくなると、「キツネが全部食べてしまったんだろう」などといった。
○第六天山にキツネの行列があったという。