9-3 身代神社
① ある武将が奥州に落ち延びる際、その姫が追っ手に捕らえられそうになった。その時、当地の人が鰶(このしろ)という魚を焼いた。この匂いは人を焼いた臭気に似ているため、村人は追っ手に対して「姫は死んだ」と言って、その命を救った。姫は感謝して鰶にちなんで身の代神社を祀ったと語られている。(『神社誌』)
② 静御前が奥州へ落ち延びた義経を慕って今の身代神社の辺りまで来たら、追っ手が来たので土地の人は静御前をかくまった。追っ手の役人には「そのお方はこの地で亡くなりました。今焼いたところです」と説明すると役人は納得して帰っていき、御前は無事奥州へ向った。土地の人にどうやったかというと、「魚のコノシロを焼いたのです。コノシロを焼くと人の焼ける匂いがするのです。」と答えた。そこで役人は信じてしまったのであるという。