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凧揚げ

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 男の子の正月の遊びで、凧には家で作る四角形の凧と店で売っている凧があった。自分で作るときには富士山の絵を描いたりした。売っている凧は、一文凧といって一~一〇銭くらいで買え、五銭も出せばいいのが買えた。絵は印刷で、奴凧、福助凧などの図柄や文字で「乱」「龍」などと印刷されていた。
 また、「祝い凧」といって、五月の節供に男の子が生まれた祝いに畳一畳から中には三畳分の大きさの凧を作って揚げる家もあった。手書きで描く場合は「武者絵」「龍」の絵柄が多かった。この凧にはニシノウチという和紙(半紙二枚分の和紙)を使い、荒縄やこで縄をしっぽとして付けた。糸は太くて巻ききれないので笊の中に入れた。麦を刈った後の畑で男たち(父親)があげた。

9-10 凧


9-11 凧