冬、校庭や家の庭で男の子が六~七人で遊んだ。独楽は木製(樫)のもので直径が七~一〇センチメートルの大きさで、回りに鉄輪をはめた独楽があった。芯棒は鉄製でこの芯棒が上がって来ないようにさまざまな工夫をした。芯棒に錆を出すために糠床に夜こっそり独楽を入れて、一晩浸けることもした。また、塩水に浸けて、その後は回りが錆ないようによく拭いたりもした。独楽を水の中に浸けて締め付けたりもした。紐は麻紐を自分で撚って作り、最初は細くだんだん太くなるように五〇センチメートルくらいの長さに作った。体の大きい人は紐を長くした。芯棒から巻き、勢いをつけて紐を引き、長く回っていた方が勝ちである。
ケンカ独楽という遊びは、独楽をぶっつけ合うものである。直径一メートルくらいの円を書き、ジャンケンで負けた人が先に円の中に独楽を入れ、勝った人がその独楽を目がけて当てる。相手の独楽が円の外に飛び出すか、止まるか倒れると負けで、最後まで回っているのが勝ちである。また、回っている時間を競ったりした。