冬から春先の男の子の遊びであるが、元気な女の子も一緒に遊んだ。遊ぶ場所は校庭やできれば塀のある空き地がよいが、農家の庭先、道路などでも遊んだ。雪が積もっていても遊べ、雪が降ると長靴がないので竹馬で学校に行く子もいた。
小学校低学年の子は親に作ってもらい、高学年になると自分で作った。普通の足の高さは約三〇センチメートルであるが、高いほどおもしろいので、中には二メートルもあるような高い竹馬を扱う者もいた。遊び方は片足で乗ったり、速足、落としっこ、片手で地面に置いてあるものを取ったりとさまざまな方法で遊んだ。竹馬に使用する竹を切る時期は一〇~一二月の一霜あたったころがよいという。
足を乗せる部分の竹は、青竹(篠竹)を割って表側(皮の方)を火であぶって曲げ、細竹で支え縄を巻いて固定した。足掛けをだんだん高くして、大人を見下ろす高さにする。自由に乗りこなせるようになると、技を競うようになる。
高い竹馬のときは屋根にハシゴを掛けて、庇(ひさし)に座ってから乗った。普通の高さの竹馬は塀に寄りかかって竹馬を斜めにして乗ったり、二本の竹馬を立ててから乗った。竹馬に乗ったまま、片方の竹馬を倒して体を低くして地面に置いた石やお手玉を拾った。片方の竹馬を担いでケンカをしたこともあった。高さ四尺の竹馬に乗って学校の窓から入って叱られる子供もいた。