宮代町長 榊原 一雄
はるかな時の流れの中で培われてきた先人たちの歩みの記録として、平成元年に始められた町史編さん事業もこの「宮代町史 ビジュアル版」により完結する運びとなり、ここに皆様にお届けできますこと、大変うれしく存じます。
私たちを取り巻く社会環境は、昭和三十年代を境に大きく、そして急激に変化してまいりました。こうした大きな変化の中で、様々なものが生み出されたとともに、忘れ去られたもの、失われていくものの多さも感じられてなりません。
現在、宮代町では「水面に映える文化都市」を将来都市像とし、「大地と生命をやさしく包み込む新しい空間づくり―農のあるまちづくり―」をその創造理念として、物の豊かさから心の豊かさへ、地域の歴史や文化を基盤とした美しさと品格のあるまちづくりが進められております。こうしたなか、「温故知新」のことわざにもありますように、先人たちが培ってきた様々な知恵や知識は、まちづくりを進めていく上でも極めて大切なものであると存じます。こうした先人たちの知恵や知識は、いろいろな習俗や行事、または古文書などの歴史史料として今の私達に伝えられております。これらにつきましては、すでに町史編さん事業により十八冊の資料集、通史編、民俗編としてまとめられ、いろいろな形で皆様にご活用いただいておりますが、本書「宮代町史 ビジュアル版」はさらに親しみやすく町史のガイドブックとなるよう写真を中心にまとめましたので、より一層皆様にご活用いただけるものと期待しております。そして、郷土宮代に対する理解と愛着がさらに深められますよう願ってやみません。
おわりに、本書を刊行するにあたり、多くの町民の皆様のご理解とご協力を賜りましたことに対しまして、改めて厚くお礼申しあげます。また、ご多忙の中、熱心に執筆、編集に当たられた町史編集委員等関係の皆様に対し心よりお礼申し上げ、ごあいさつといたします。