平成の始まりと共に開始された町史編さん事業は、町民の皆様をはじめとする多くの方々のお力添えを賜りながら、ここにその集大成として「宮代町史　ビジュアル版」を刊行する運びとなりました。
　十年ひと昔とよく申しますが、編さん事業を開始した当初と比べましても、私たちを取り巻く環境は大きく変化しております。時代の流れの中で、古来より行なわれていた行事や習俗などの中には、今にその姿を伝えることができなくなったものが多くあります。また、つい最近までは当たり前の存在であったものも、ふと気づいたときには過去の遺物となっているものも少なくありません。こうして変化を遂げながらも失われてゆくものの多くは、私たちの未来にさまざまな示唆や教訓を残してくれます。町史編さんによりまとめられた数々の刊行物は、こうした示唆や教訓を少しでも多く私たちの糧にし、未来への道しるべとして皆様のお役に立つものであると自負しております。
　本書が親から子へ、子から孫へと世代を越えて長い間受け継がれてきたさまざまな歴史や文化に触れる機会となり、新しい発見や驚きを見つけていただくとともに、さまざまな場面でご活用していただくことができれば幸甚です。
　本書の刊行にあたり、監修者の鈴木敏昭氏、編集委員の板垣時夫氏、飯山貫氏、針谷浩一氏、林貴史氏、島村圭一氏をはじめ、数多くの方々のご指導、ご協力を賜りました。ここに厚く礼申上げ、ごあいさつとさせていただきます。