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[草原の狩人たち]

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 草原の中、オオツノシカを追いかける狩人達がいた。広がる草原、深い谷、寒冷な気候の中で、赤々と燃える火を囲む人々の姿があった。今からおよそ二万年前のことである。
 旧石器時代の遺跡は町内に八か所ほどあり、ナイフ形石器や細石刃(さいせきじん)などが発掘されている。そうした石器の素材は、黒曜石(こくようせき)や安山岩(あんざんがん)と呼ばれるもので、遠く長野県や茨城県・栃木県方面などから運ばれてきた。旧石器人もまた旅人であった。