大陸の文化は、朝鮮半島を経由して幾(いく)たびも日本列島を駆け抜け、人々の暮らしを変えた。その一つにカマドがある。ある日、家の真ん中に築(きず)かれていた炉は、壁際のカマドに取って代わられた。火力が高く、排煙装置のある便利なカマドは、瞬く間に家々に築かれた。屋内の間取りも変更されたに違いない。そうした家からは、例えば道仏(どうぶつ)遺跡では、日常什器の他に漁網の錘(おもり)や糸紡(いとつむ)ぎの道具、さらに祭壇(さいだん)に飾られた剣形(つるぎがた)・鏡形・玉などの石製品などが発見されている。
[古墳時代の生活と文化]