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第五章 民俗
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幸せな一生のために
[幸せな一生のために]
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一生の中には様々な儀礼がある。帯祝いに始まり、お七夜、初山、帯解き…。かつて医学が進んでいなかった時代、その命ははかなく、儀礼のたびに神々の加護を受け、人々を招き共に祝って大切に育んだ。そして結婚。祝儀もまた、親族そして地域社会の一員として仲間入りをするための儀礼であった。時が過ぎ一生を終えた時、葬式の一切を隣組が取り仕切った。人はいつも地域社会の深い結びつきの中にあったことを儀礼を通して知ることができる。