解題・説明
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【判型】大本2巻1冊。 【作者】不明(伝玄恵作)。 【年代等】江戸中期刊。[京都]菊屋利兵衛板。 【概要】分類「往来物(古往来)」。寛文2年(1662)刊『〈尊円流庭訓続〉遊学往来』2冊([京都]袋屋十良兵衛板)の改題本。1カ月往返2通ずつ、1年12カ月で計24通から成る古往来。連歌・和歌・喫茶・仏事・遊戯・香・習字・管弦等を主題とし、各状に当代の社会生活にかかわる単語集団を含むのが特徴。その内訳は仏教120語、漢学・文学・教養559語、衣食住86語。 【備考】首題下に「天台沙門玄恵撰」と記すが、確証はない。本往来は古くは『新撰遊覚往来』『遊学往来』と呼ばれ、室町前期、応安5年(1372)以前作で、最古の写本は天文5年(1536)書『新撰遊覚往来』(慶恩書、高野山金剛三昧院蔵)、最古の刊本は寛文2年板だが、本書とは異板の江戸前期刊『遊学往来』3冊本もある(この3冊本の改題本に宝永2年(1705)刊『童子諸覚往来』1冊本がある)。(小泉吉永 記)
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