解題・説明
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【判型】半紙本1冊。 【作者】大神栄幹書。 【年代等】江戸後期作。文久3年(1863)3月書。 【概要】分類「往来物(地理科)」。土佐国内各地の地名や諸産物を列挙した往来。「往古、土佐材木之名物、『庭訓』所載、世人之所知也。今、此国之名物・土産其品雖多、荒増を記而已」と起筆するように、本文冒頭で『庭訓往来』に土佐名産の材木の記述が見えることを紹介し、続けて「先、柳瀬山杉・桧、瀬戸山桧・柾、甲浦海鹿、東寺明星石・貝石、西寺硯貝并鐘石…」のように地名に続けて産物を列記し、末尾を「其外品々雖有之、難尽残上、止筆者也」と結ぶ。 【備考】『土佐国産往来』の伝本は、他に小泉本(慶応2年書)・国立国会図書館本、東京大学本(大正2年転写本)などがあるが三次本は年代が明かな最古本である(ただし、底本も文久3年の転写本のため撰作年代はさらに遡るであろう)。(小泉吉永 記)
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