解題・説明
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【判型】半紙本1冊。 【作者】岡潔矩編・書・序。 【年代等】文政10年(1827)以前作。天保7年8月序・刊。[岡山]中嶋屋益吉・片上屋孫兵衛板。 【概要】分類「往来物(地理科)」。異称『岡山往来』。「抑、備前岡山者、従往古有名之府也。凡六十余町並甍、以来年々繁華而、事物之自由不異京・大坂、真可謂鄙之都地也…」と筆を起こして、岡山を中心とした備前国の繁栄ぶりと、物資の流通、各地の物産品・工芸品を紹介した往来。本文を大字・4行・無訓で記し、末尾を「此外川之珍物、土地之名産不遑枚挙。重而可及腐毫也」と結ぶ。さらに、巻末に書初詩歌・七夕詩歌をそれぞれ4編ずつ掲げる(多く散らし書き)。なお、刊本に先立つ文政10年写本(梶谷光太書、大字・3行・無訓)等が存在するため撰作年代はそれ以前だが、本書序文にも既に存在した『備前往来』の伝本を現状にふさわしく補訂したことを記す。 【備考】彫工は、大坂の山崎幸吉。例えば、本書冒頭部の「凡六十余町…」が天保15年写本では「凡五十余町…」と改められるなど、諸本に小異がある。(小泉吉永 記)
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