解題・説明
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【判型】中本1冊。 【作者】不明。 【年代等】文化2年(1805)3月刊。[江戸]鶴屋喜右衛門(仙鶴堂)板。 【概要】分類「往来物(地理科)」。江戸府内各地の産業・名物・名産品などを紹介した往来。「夫、東都之分野(ありさま)は山遠く海近く、方廿里平地にして日本無双の大都会なれば、慶長の時より以来(このかた)、将軍家の御座所(ござどころ)と為給ふ…」と起筆し、江戸および江戸周辺の地理・風俗・沿革について述べ、続いて、江戸各町の主要産業・物産や周辺地域との商品流通等を紹介する。後半では海上交通や関八州の名産品にも触れ、このようにあらゆる物資が江戸に満ち満ちているのは善政の恩沢によるものと締め括る。本文を大字・6行・付訓で記す。巻首に江戸城を中心とした方位図(「御江都方角図」)や「武蔵国郡名」を掲げ、頭書に府内の寺社の位置(里程)や開基・建立年を示した「江戸神社仏閣記」や、寺社の祭礼に関する「江戸年中参詣記」「年中神社祭礼」を載せる。(小泉吉永 記)
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