解題・説明
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【判型】中本1冊。 【作者】滕耕徳作・書。 【年代等】天明8年(1788)10月初刊([江戸]花屋久治郎(星運堂)板)。文政4年(1821)8月再刊。[江戸]西村屋与八板。 【概要】分類「往来物(地理科)」。「去頃、奥州暦覧いたし、此程令帰府候…」で始まり「…猶、紀行校合出来候者、可入御覧候。恐惶謹言」と結ぶ一通の手紙文で、江戸から日光、白河、白石、仙台、塩釜、松島、平泉、出羽三山を経て象潟に至る道中の名所旧跡・神社仏閣の景観や縁起・故事などを記した往来。本文を大字・5行・付訓で記す。巻頭に「松島遠景図」「書案諸道具尽」「色紙短冊之書法・詩歌書様之事」、頭書に「男女書学論」「洛陽文章」「吉書始詩歌」「七夕の詩歌」、巻末に「片仮名伊呂波本字」「男蝶・女蝶・錫子の図」を掲げる。 【備考】『松島往来』と題した往来は数種あるが、本書はその先駆となったもの。本書の改編版に文化4年(1807)刊『〈頭書・名所和歌・絵入〉新編松嶋往来』や明治3年(1870)書『奥州もふで』などがあるが、これらの類書については「0175松島名所文章」の解題を参照。 【備考】本書の初板本が「0177新編松島往来」である。(小泉吉永 記)
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