解題・説明
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【判型】半紙本1冊。 【作者】横尾謙七作・序。村田海石書。長谷川実信画。 【年代等】明治6年(1873)7月刊。[大阪]秋田屋太右衛門(田中宋栄堂)板。 【概要】分類「往来物(産業科)」。「大政維新、普天卒土、治教洽浹、文明開化、輸出輸入…」で始まる漢字4字1句を基本とする合計122句(全488字)から成る一種の『千字文』型教科書。半丁に大字・3行・付訓(左訓)で記し、特に舶来品については左訓に代えて英単語の読みを片仮名で施す。まず文明開化後の日本の貿易や通商のめざましいことを述べ、続いて西洋諸国からの流入品(日用品・家財・食品・薬種・衣類・武具等)を列挙する。さらに旧習を排除して国民挙げて富国に努めるべきこと、先取の精神で洋書翻訳書から原書までを学び、西洋列強の国情をよく知って、日本の発展に努力すべき旨を説く。本文中に関連の挿絵を多く挟むが、列強国旗図等を色刷りとする。また巻頭に色刷り口絵「浪花港口繁栄之図」を掲げ、頭書に企業・商業・国益・物産・金融・機械などに関する記事、さらに巻末に元禄7年(1694)~明治5年の西洋の主要事件を記した「西洋年代略記」を付す。(小泉吉永 記)
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