解題・説明
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【判型】大本1冊。 【作者】百瀬耕元(南谷山人・久継・耕呂)書。内山福隆(耕恭)跋。 【年代等】享和3年(1803)8月跋・刊。[江戸]三崎屋清吉ほか板あり。 【概要】分類「往来物(消息科)」。「改年之御慶御同意申納候…」で始まる新年状から寒気見舞い状までの18通を収録した百瀬流の陰刻手本。新年状数通に続けて安産祝儀状、婚礼祝儀状、また、伊香保温泉へ行く友人へ選別を贈る手紙、暑中見舞い、手作りの新蕎麦一箱を贈る手紙、髪置祝儀状など、時候・祝儀・用件の手紙をちりばめた本文を大字・四行・無訓で記す。跋文によれば日常の家業に忙しく「文化にあづからざるの徒」にも馴染んだ「常用の俚文」で綴った消息例文を集めたとする。 【備考】底本の扉の両面に「飛鳥山往来」と印刷されているが、本書は寛政3年(1791)刊『飛鳥山往来』(地理科往来)とは全く別の本であり、本文とは全く関係のない扉が付けられている。むしろ跋文中にある「百瀬当用集」が正しい書名である。(小泉吉永 記)
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